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人物特集その2:ガロッシュ・ヘルスクリーム

こんにちは、サニーミルクです。

前回はグロンマッシュ・ヘルスクリームというオークについて説明しました。

なので今回は彼の息子であるガロッシュ・ヘルスクリームについて説明します。

「ガロッシュ・ヘルスクリーム」(Garrosh Hellscream)

(肝に銘じておけ「Lok’tar Ogar!」"勝利でなければ死を!")

ガロッシュは第一次大戦争の前、

グロンマッシュがマンノロスの血を飲む以前に生まれた彼の一人息子です。

彼の肌が緑色ではない理由は、ウォーロックたちの邪悪な黒魔術の影響から一番遠く離れていた

「ナグランド」(Nagrand)にいたからです。

作品での初登場はWOWの最初の拡張パック「灼熱の聖戦」(Burning Crusade)です。

彼は黒魔術で堕落しなかったオークたち、「マグハル」(Mag’har)という民族を率いて

ナグランドに定着し、族長として暮らしていました。

しかし、父親のことを「オークを堕落させた裏切り者」くらいにしか知らなかったため、

族長でありながら、肩身の狭い思いをしました。

しかも、マグハルの精神的リーダーだった大いなる母、

ゲヤ(Greatmother Geyah)の体調もあまり優れてなかったのでいろいろとやる気をなくし、

ナグランドでトラブルを解決しまわっていた英雄(プレイヤー)に「君、俺の代わりに族長にならないか?」

などといった情けないせりふまで吐きます。

そういった軟弱なガロッシュの姿を見た大いなる母の孫スラルは、彼に自分の旧友であり、

オークを解放してくれたグロンマッシュの真実を知らせるべく、シャーマンの力を利用し、

グロンマッシュ・ヘルスクリームの最後の幻影を見せます。

(内容はW3のオークのエンディングムービーと同じです)

今まで自分の父親のことを「オークを破滅させた人物」としか知らなかったガロッシュは、

「オークを堕落させたものの、結局自分の手で悪魔からオークたちを救ってくれた英雄」という

事実を見て勇気を取り戻します。

「俺は卑怯者の息子ではない。英雄の息子だ」という自覚が芽生えたのです。

「俺はマグハルの族長、グロンマッシュの息子、ガロッシュ・ヘルスクリームだ!

 父上ヘルスクリームの戦の雄たけびで、そなたたちに勇気と力を与えよう!

 俺の自由の雄たけびでそなたたちを満たしてくれよう!」

(灼熱の聖戦のクエストから)

まとめてみると、マグハルの族長でありながら、父親をすこし誤解していたため

細々と生きていた(乱暴に言えば廃人のように生きていた)ガロッシュは、

父親の友達であるスラルを通じで真実を知り、父親に対して誇りを持てるようになり、

勇気を取り戻した。

という内容です。なかなか心の温まるストーリではありませんか。

しかし、これからが問題です。

彼はグロンマッシュ・ヘルスクリームの息子。

好戦的な性格は彼そっくりでした。

いままでの軟弱な姿はどこかに消え、いろいろと猪突猛進なオークに変わったのです。

ホードの将軍になったガロッシュは、

アライアンスに対して消極的な態度しかとらなかったスラルに不満を抱くようになります。

二番目の拡張パック「死霊王の怒り」(Wrath of the Lichking)にて、

ノースレンドの先鋒にたつようになったガロッシュは、

リッチキングとの戦いよりアライアンスとの戦いに熱心でした。

そのような彼の姿をホードのプレイヤーなら直接確認できます。

(ノースレンドの最初のクエストから彼に会えます)

しかも、ガロッシュは古代の神「ヨグサロン」(Yogg’saron)が

監獄「ウルドアル」(Ulduar)から脱獄しそうになったとき、

アライアンスとホードの協力を求める場で暴れてしまい、

プレイヤーはどちらの協力も望めないまま、

ウルドアルに挑むようになるなどいろいろと迷惑をかけてしまいます。

ウルドアルのオープニングムービーです。褐色のオークがガロッシュです。

(字幕をつけました。ボタンをクリックすると字幕と一緒に鑑賞できます)

しかし、なんだかんだいってもリッチキングを討伐するにあたって

かなりの戦功を上げたのには違いなく、

次のホードの大族長の有力な候補といわれました。

(ワールド・オブ・ワークラフト:死霊王の怒りのストーリー)

そして予想通り三番目の拡張パック「大激変」(Cataclysm)では、

ホードの大族長だったスラルがシャーマンとしての道を究めるべく、ガロッシュにその座を譲ります。

大族長になったガロッシュは、デスウィングによって破壊されたアゼロスで生き残るために

アライアンスとの戦争に精を出します。

(大激変の新しいクエストでは陣営の間の戦争に関するものが多く見られるのもこのせいです)

そして、オークの首都である「オグリマー」(Ogrimmar)を要塞化し、

スラルがグロンマッシュを讃えるために持ってきたマンノロスの死骸を解体して、

自分のための鎧を作りました。(彼の肩の鎧はマンノロスのキバです)

また、「ホードを守れるのはオークとタウレンしかいない」などと言って

「軟弱な」トロールをオグリマーから追放しました。(かわいそうなトロール…)

この過程でガロッシュに不満を抱いたトロールの族長「ボルジン」(Vol’jin)は

ホードから抜けようとしましたが、スラルが直接ボルジンに頼んで

最悪の事態までは行かないようにしたり、いろいろと迷惑をかけます。

ここまできたら、どうしてスラルはガロッシュに大族長の座を譲ったのか

疑問に思う方もいらっしゃると思います。

スラルは小説「崩れる世界:大激変の前兆」にて、

次期族長として誰を選ぶべきか悩みます。

しかし頼れるオークたちはみんな年をとり過ぎたし、

だからといって他の種族に族長の座を譲ったら、

ホードの大多数を占めているオークから不満が出ることは間違いありませんでした。

だから「しかたなく」オークでありながら、実力と戦功もあり、

そこそこ若かったガロッシュが大族長として選ばれたわけです。

小説「大激変の前兆」クリスティー・ゴールデン著

とはいえ、これといった深刻な問題は起こさなかった彼でしたが

デスウィングが倒れ、とりあえず大規模な危機は去ってから事件は発生します。

(集中の瞳。WOWをある程度プレイした方は一度は見たはずです)

デスウィングは倒したものの、まだアライアンスとホードの戦争は終わらないままでした。

そこでガロッシュは部下たちに命令し、

青の龍軍団が守っていた「集中の瞳」(Focusing Iris)というものを盗みます。

この瞳は古代の魔法の遺産であり、強力な力が詰まっていて

世界を救うために何度も使われていたものです。

しかし、これを盗み出したガロッシュは大規模な殺戮のための魔法の爆弾に改造してしまいます。そ

してアライアンスの精鋭兵が集まっていた「テラモアー」(Theramore)に

その魔法の爆弾を落とし、都市を壊滅させてしまいました。

数多の命がテラモアーから消え、

この都市を治めていた「ジェイナ・プラウドムアー」はホードに復讐を誓います。

もともとホードとは中立の関係を保っていた彼女だったのですが、

この惨事に対する復讐を止めようとしたスラルに失望し、人格が180度変わってしまいます。

(小説「戦争の波」までのストーリ、クリスティー・ゴールデン著)

そして戦争はさらに激しくなりました。

大陸のみならず、海でも戦争をしていたガロッシュは、

ある日アライアンスとの海戦で新しい大陸を見つけたという報告を聞き、精鋭部隊を向かわせます。

新大陸をアライアンスに渡したくなかったガロッシュは、パンダリアでも戦争をやりだしたのでした。

パンダリアは「負の感情」が「シャー」(Sha)という化け物に具現化する変わった大陸だったので、

ホードとアライアンスの戦争は沢山のシャーを生み始め、大陸はめちゃくちゃになってしまいます。

(シャーは中国語で「煞」(悪鬼)と書くそうです)

こうして新大陸で戦争を始めたガロッシュは、

パンダリアの隅々を調査するように命令し、戦争に使えそうな古代の遺物を発掘し始めます。

そこで、ガロッシュはある洞窟で邪悪な生命体を創造する魔法を発見し、

その魔法をホードのものにしようとしましたがボルジンに猛反対されます。

そのため、ガロッシュの部下は彼を仕留めてしまいます。

(実は死にませんでした。瀕死だった彼は洞窟から逃げ切り

暴君ガロッシュを打倒するためのクーデターを計画します)

そして、最終的には、はるか昔にパンダリアを支配していた古代の神

「イシャラジ」(Y’Shaaraj)の心臓を見つけてしまいます。

パンダリアのどの遺物より強力だったイシャラジの心臓は、結局ガロッシュの手に渡ってしまい、

いよいよガロッシュは「真のホード」を築き、世界を支配するために大規模な戦争を始めます。

オグリマー攻城戦のオープニングムービーです。

(字幕をつけました。ボタンをクリックすると字幕と一緒に鑑賞できます)

(シャーなるものの根源はこの心臓の主、イシャラジにあったといわれています)

邪悪な神イシャラジの心臓は、あっという間にパンダリアの中心部を汚染させ、

取り返しのつかない傷を負わせてしまいます。

オーク最強の兵隊、邪悪な化け物たち、

そしてゴブリンの科学力の結晶体である兵器が守っているオグリマーは、

難攻不落の要塞として英雄を迎えました。

しかし、ガロッシュに殺されかけたボルジンの助けにより

英雄たちとアゼロスの軍隊は、ついに彼を逮捕することに成功します。

(ゴブリン科学の結晶「鋼の星」(Iron Star) 後に鋼のホードの象徴のようなものになります)

オグリマー攻城戦のエンディングムービー(ホード側)です。

(字幕あり)

こうしてガロッシュは逮捕され、彼の打倒に貢献したボルジンがホードの次期大族長になります。

エンディングの動画でパンダレンが言ったように、彼の裁判はパンダリアで行われるようになります。

そしてその内容は小説「戦争犯罪」にて詳しく記述されます。

裁判にかけられたガロッシュの罪名は以下の通りです。

大量虐殺、殺人、住民の強制移住 、強制失踪、奴隷の運用、児童の誘拐、拷問、囚人の殺害、

強制妊娠、どのような理由でも正当化できない都市や村の無慈悲な破壊

はい、数え役満です。

(強制妊娠については、ガロッシュが誰かをレ◯プしたわけではありません。

簡単に説明すると、第二次大戦争のとき、赤の龍軍団を調教し強制的に妊娠させ、

兵隊を量産させたオークの「ある民族」をホードに編入させ、利用した。という罪です。)

裁判が始まったとき、ガロッシュは

「やっとショーが始まったか。予め拍手しておけ。ダークムーンフェスティバルより面白いはずだ」

などといい、自分がやってきたことを否定もせず、

だからといって無罪を主張することもありませんでした。

裁判は九日間にかけて行われましたが、バリアン・リンの息子であり、

平和主義者であるアンドゥウィン・リンは彼に面会し、ガロッシュの考え方を変えてみようと努力します。

しかし、そんな王子の努力にもかかわらず、ガロッシュは結局最後の裁判で暴れてしまいます。

「ああ!そうだとも!俺はアライアンスを跪かせるためならテラモアーみたいな都市を数千も破壊しただろう!

つべこべほざいてるナイトエルフのくそ野郎どもを狩りまくって

その情けない泣き声をこの世から消しただろう!力さえあったらトロールとタウレンたち、

傲慢に笑ってるブラッドエルフ、貪欲なゴブリンとふらふら歩き回る死体どもを

この世から消し去ってやっただろうにな!そういえば、成功しかけたな!

俺がやった全ての行為、俺は絶対に後悔しない!

もっとやれなかったのが悔やまれるだけだ!

俺を苦しめている唯一の事実は真のホードが立ち上がる姿を見る前に阻止されたことだ!

なにも!この世の誰にも!俺を止められはしない!」(台詞は小説から抜粋)

狂気に満ちたガロッシュの発言を聞いた裁判官は、いよいよ彼に最終判決を下そうとしました。

しかし、その時、ガロッシュの部下の生き残りたちが裁判所を急襲。

そして青銅の龍軍団の裏切り者「カイロズドルム」(Kairozdormu)が時間の幻影を作動し、

ガロッシュを脱出させてしまいます。

(小説「戦争犯罪」までのストーリ。クリスティー・ゴールデン著)

彼を利用して世界の主になろうと思っていたカイロズドルムは、

ガロッシュの力を一番うまく活かせる場所と時間帯を用意しました。

それこそが「ドレノア」(Draenor)という惑星で、今回の拡張パックの舞台になるところでした。

そこは35年前、オークが堕落する前のアウトランドの環境と「非常に似ている」ところでした。

つまり、「今の世界の過去」ではなく、「過去に似ている別の世界」だったのでした。

ガロッシュをドレノアにつれてきたカイロズは彼に自分の野望を説明します。

しかし、ガロッシュは誰かに利用されるような人物ではありません。

彼は彼なりの計画がありました。

ガロッシュは「お前に俺は殺せねーよ」と油断しているカイロズを殺し、その場を発ちました。

35年前といえば、自分の父親グロンマッシュ・ヘルスクリームが悪魔の血を飲む前の時間帯。

彼は父親のところに向かいました。

しかし、グロンマッシュに自分の正体は明かさず、これからくるであろう

「分かっていれば避けることのできる悲惨な運命」について予言します。

グロンマッシュの前で両手を縛られた状態でオーク4人を倒し、

自分を証明したガロッシュは父親に「悪魔の血を飲んではいけない」ということを主張。

そして「アゼロスからアライアンスという残虐な輩が攻めてくる。

やつらの奴隷になる前に征服するべきだ」と、グロンマッシュを説得します。

この過程でガロッシュは父親に歴史の幻影を見せますが、オークが奴隷になる場面だけを見せ、

スラルとグロンマッシュによって開放された姿は見せませんでした。

最後まで見せてしまったら、アライアンスを攻撃する根拠が薄くなってしまう恐れがあったからです。

また、未来の科学技術を提供し「鋼の星」を筆頭としたさまざまな最新兵器をもって新生ホード

「鋼のホード」(Iron horde)を結成させたのでした。

(公式ホームページの短編小説「ヘルスクリーム」までのストーリー)

そしてついに、予言通り、グルダンは「力を与えよう」といいながら悪魔の血を進めてきます。

以後のストーリーはドレノアの将軍たちのオープニングムービーにある通りです。

Warlords of Draenorオープニングムービー(字幕付き)

(「歴史は変わるものだ」)

ガロッシュの言ったとおり、グロンマッシュは血を拒み、

マンノロスの頭を爆発の中「血糊の叫び」でかち割るという、

多分WOW史上最高にかっこいい演出を見せてくれます。

(因みに動画内でフードをかぶって松明を振っていたオークがガロッシュです)

こうして、ヘルスクリーム親子のアゼロス侵攻が幕を開けることになりました。

これからのストーリにもガロッシュはちょくちょく出てきますが

ここからは実際にプレイして経験できることもあり、

またストーリーの本筋に関わる話になりますので、そのうちストーリー連載の本編で説明しましょう。

(公式ホームページの小説は要望があったら翻訳して限定公開するかも)

おまけ-知っていても、知らなくてもあまり関係ないこと-

Q. ガロッシュが持って行った最新技術は誰の作品なのか?

A. SOのボスとしても登場するブラック・ヒューズ(Black fuse)の作品です。

因みに彼の遺言は「俺の遺産は永遠に受け継がれる!」だったのですが、

まさにその通りでしたね。

オープニングでマンノロスを殺せたのも彼の傑作「鋼の星」のおかげでした。

ゴブリン科学力はアゼロスイチィィィイイイイ!!

Q. オープニングのこれはどこかで見た気がする

A. WIIIのオークエンディングのオマージュですね

この場面を一度幻影で見たガロッシュは、

自分の父親が爆発に巻き込まれる間に助け出すことができました。

ワークラフト3をプレイしたことのある方はWoDのオープニングを見て

思いっきりお漏らししてもおかしくない演出でした(私見)

Q. ガロッシュ、スラル、グロンマッシュ(過去)の年が気になる

A. まず、ここで一番年下なのが過去のグロンマッシュ(20代)です。

その次がスラル(30代半ば)。一番年長者がガロッシュ(40代半ば)です。

時々ガロッシュのことを子ども扱いするスラルですが、実は彼より年下です。

では、また次回!

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