WarcraftⅠ -5- 第一次大戦争2
みなさん、こんにちは。サニーミルクです。
前回は逃げてきたドレネイと
堕落してしまったオークについて語りました。
今回の舞台はいよいよアゼロスになります。
オークと対敵する「人間」(Human)という種族と
今では「ブラッドエルフ」(Blood elf)と呼ばれる
「ハイエルフ」(High elf)の登場について説明しようと思います。
いろいろあって続編が遅れてしまいました。申し訳ありません。
3-2-1.人間、エルフ、そしてトロール:人間の起源
アゼロスの大陸の大半が沈み、東西南北の四方向に分かれた大陸の中で、
北の方に「ノースレンド」(North rend)というところがありました。
(ノースランド(North land)ではありません)
そこにはタイタンが創造したといわれる「ブリクル」(Vrykul)という
種族が住んでいました。
その種族はとても強く、体も大きなものでした。
しかし、いつからかその巨大で強い種族が
地下に封印された得体の知れない存在に呪いをかけられ、
肌の柔らかい小さくて弱い赤ちゃんを産むようになりました。
この突然変異の赤ちゃんを、
王であるイミロン(Ymiron)は好ましく思いませんでした。
そのため、軟弱な赤ちゃんを産んだブリクルに自らの子供を
殺すように命令しました。
<イミロンは第二弾拡張パック「死霊王の怒り」(Wrath of the Lichking)の時点まで生きていました>
しかし、いくら王さまの命令とはいえ、
自分の子供を簡単に殺せる親はいません。
自らの手で赤ちゃんを殺せという命令に反発したブリクルたちは
子供をつれて王から逃げ、他の大陸に辿り着きました。
たどり着いたのは、現在「東の王国」(Eastern Kingdoms)と呼ばれる大陸です。
そして長い歳月が経ち、ブリクルの親は死に絶え、東の大陸には
軟弱だった赤ちゃんの末裔が繁栄するようになりました。
このブリクルの末裔たちは後に人間と呼ばれる存在として、
アゼロスの歴史に決して欠かせない存在になったのでした。
大陸に広がり始めた人間は、最初は野蛮で、名誉なども知らずに
他の部族を略奪して回るような種族でした。
しかし「アラシ」(Arathi)という賢い部族は
速やかに他の部族を制圧し、自由と平等を見返りに
アラシ部族の構成員になるように説得しました。
もちろん負けた部族がそのようなうまい条件に乗らないわけがありません。
日を増すごとに強大な部族になっていったアラシは
ついにひとつの大きな国家を形成するようになります。
そして今は「アラシ高原」(Arathi Highlands)と呼ばれる地域に
ストロム(Strom)という要塞をたてるようになり、「アラソル」(Arathor)という
人間の最初の国家の首都になりました。
<ストロムは今もその痕跡が残っています>
3-2-2.人間、エルフ、そしてトロール:ハイエルフ(HighElf)とトロールの戦争
ここからは人間が生まれるよりも遥か昔のお話です。
古代の戦争が終わり、ナイトエルフの社会では「魔法を使うものは死刑」という
厳しい法のもとで、名家の生き残りたちはとても肩身の狭い思いをしてきました。
アッシャラ女王と一緒に魔法を使いまくっていた名家の貴族が、
いきなり魔法の使用を禁じられて耐えられるはずがありませんでした。
魔法というものは、使えば使うほど中毒になり
やがて魔法なしでは生きていけない体になってしまう
とても恐ろしい力だったのでした。
当時、生き残った貴族たちのリーダーだった
「ダスリマー」(Dath’rema)はフュリオンのこのような政策に
多大な不満を抱いていました。
<イケメンです(個人的感想)>
「あのフュリオンのやつは魔法のすばらしさが分かっていない。
我々名家たちがどれほど魔法に飢えているのかも理解していない。
今度こそ我々の意思をヤツに示し、一泡吹かせてやる必要がある」
ついに決心をしたダスリマーは貴族たちを集め、
全員で魔力を搾り出し、ナイトエルフの町で大きな竜巻を起こすという、
とんでもないことをしてしまいます。
彼の傲慢な行動にどても怒ったフュリオンでしたが
この騒ぎで魔法を使った貴族のナイトエルフの数は相当なもので、
さすがにこんなにも多くの同族を死刑に処すというのは
彼には到底できたものではありませんでした。
悩みに悩んだフュリオンは仕方なく彼らをナイトエルフの社会から
追放することに決定し、その騒動で魔法を使った貴族は
ダスリマーと一緒にナイトエルフの土地から出て行くことになりました。
追放された貴族たちを率い海の中心にある混沌の渦巻きを越え、
新しい大陸にたどり着いたダスリマーは
夜にしか活動しないというナイトエルフの伝統を捨て、
自身に「昼間に出歩く者」という意味の「サン・ストライダー」
(Sunstrider)という苗字をつけ、
彼と共に来たエルフたちは自らを「高貴な子供たち」という
いみの「クェルドレー」(Quel’dorei)と称しました。
(ヒューマンの言葉では、ハイエルフともいいます)
彼らがたどり着いたところは、
ティリスファル森林(Tirisfal Glades)というところでした。
鬱蒼とした森は、彼らが住むにはとてもいい場所に見えました。
しかし、数年も経たないうちにエルフたちはなぜか気が狂い始めていきました。
原因としてもっとも有力だったものが
「地下に封印されている、とても邪悪な何か」でした。
まだ解明はされていませんでしたが、とにかくダスリマーは
そこから離れなければならないと思いました。
こうして、クェルドレーたちは北へと向かうことになりました。
しかし、今回の旅はハイエルフたちにとってより過酷なものでした。
ノルドラッシル(第四話参考)の影響から離れたハイエルフたちは
自然に対する免疫もなくなり、険しい山道で寒さに耐えずに死んでいきました。
肌も白くなり、背もだんだん低くなっていき、
永遠の命というものも、彼らには縁のないものになってしまいました。
<夜を裏切ったハイエルフたちは、その容姿も変わっていきます。かわいい>
そして、数年が経ち、生き残った者達が見つけた場所は、
彼らが夢にまで見た自分たちの故郷、カリムドアにとても似ているところでした。
<ある事件により、とても深い傷を負ってしまいましたが、相変わらずエルフの領土です>
ダスリマーはそこに「高貴な王国」という意味の
「クェルタラス」(Quel’thalas)という帝国を立てることにしました。
しかし、あいにくその大地はトロール達が
「古代トロールの神聖な都市」として守られていたところでした。
当然、トロール一族との戦争は避けられなくなりました。
邪悪な呪術で、切り取られた腕をも生やすトロールに
嫌悪感を覚えたハイエルフたちは、
攻めてくるトロールたちを次から次へと殺していきました。
<肌が苔に覆われているアマニのトロールはハイエルフにとって大きな脅威でした>
十倍以上数が多かったアマニ(Amani)部族のトロールでしたが、
ダスリマーの指揮と強力な魔法により、ハイエルフは勝利を勝ち取りました。
勝利したハイエルフたちは自分たちの帝国を完成させ、
帝国の一番奥には、イリダンの創りだした永遠なる泉から盗んできた水を使い、
「太陽の泉」(Sun well)という新しい魔力の源を作りました。
しかしハイエルフたちは、
昔の教訓を忘れたわけではありません。
「魔法の使用は悪魔を呼び寄せる」という事実を
身をもって証明した彼らでしたので、魔法の使用を減らす!
…わけにはいかず、「ばれなければいいのだ」という
ある意味いい加減な発想で、魔力が外に漏れないよう
帝国全体にバリアーを張ることにしたのです。
そして、その作戦は見事に成功し、ハイエルフたちは
その後、気ままに魔法を使いながら、
とても幸せな日々を過ごすようになります。
アマニ部族が復習のためにまた襲いかかる前までは…。
次回:アマニの復習、そしてティリスファル議会の誕生。